お知らせ
本社ベトナム ラオカイ省「シナモン植林プロジェクト」事業報告
2023.4~2024.3
ベトナム ラオカイ省での植林プロジェクト
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- JIFPROは1998年から、ベトナムにて植林事業を実施
- ベトナムでは1995年に森林率が28%にまで減少し、それ以降、植林や森林保全政策を国家の最優先施策として進めてきている
- 2021年4月1日には、ベトナム国首相令により「2021~2025年10億本植林計画」が発布され、5年間で18万haの植林を全国的に進めることとしている
- こうした現状を踏まえ、JIFPROはこれまでの25年間(1998-2023)で17の植林プロジェクトを実施し、植栽面積は3,835haに及ぶ
有機シナモン植林プロジェクトの概要
目的 |
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期間 | 2023年4月~2025年3月(2カ年) |
対象地 | ベトナム国ラオカイ省バオ・イエン(Bao Yen)県ヴィン・イェン(Vinh Yen)コミューン |
植栽面積、本数 | 総面積30ha(2023年度は16.53haに107,445本の植栽を行った) (うち東京木工所からのの2023年度の寄付により植栽済の面積は1ha) |
植栽樹種 | シナモン(シナニッケイ、Cinnamomum cassia) |
参加世帯数 | 18世帯 |
本年度の活動 | 2023年度植栽地への植林および保育、農民への植林技術教育 |
- 植林地は標高500m~1000mの山間地で農家はみな貧しい。ベトナムでは単に木を植えることによる木材生産だけでなく、木材以外の非木材林産物(NTFPs:Non Timber Forest Products)を活用して森林造成と生計向上を目ざす村落林プロジェクトが実施されている。今回のプロジェクトは10年程度で商品作物として換金が可能な「シナモン」を選択し、林地の保全と生計向上の両立を目指している。
- 主として木材生産を目的とした森林造成では1ha当たりの植栽本数は750~2000本/ha程度(土壌や立地条件によって異なる)であるが、本プロジェクトでは1ha当たり6,500本の苗木を植栽しており、土壌の保全とシナモンの商品価値の向上のために密植を選択したものである。4年後に間伐を行い、更に10年後には外樹皮をシナモンとして収穫し、現金化する。その後、得られた収益をもとに、森林を継続的に造成していくことになる。
- なお、現地の農民は体系的に植林技術を学んだことがなく、適切な研修によって植林技術や保育方法を学ぶことが重要である。特に、密植による林地養分の収奪化を防ぐために有機肥料を積極的に活用する予定であり、こうした技術を活用して適切に森林を管理することにより、持続的に森林経営を行っているとして「森林認証」を受けることが可能となる。
- プロジェクトに参加している農民は一戸あたり1~2haの土地利用権を与えられており、研修を受けたのちにそれぞれ土地に植林を行っている。
農民への事前研修(座学)
植樹に参加する農民を集めての研修
和やかな雰囲気で研修は行われた
植穴の大きさなどを熱心に説明する講師
農民への事前研修(実技)
実地で植穴を掘って農民に教えます
植栽されたシナモンの苗木
シナモンの外皮を剝く研修
植樹活動に参加する農民のみなさん
植栽後の状況
苗木が順調に生育しているかをモニタリングしている